宇久漁港は、小浜市街地から車で20分程度のところにある風景のきれいな漁村である。
今回は、宇久漁港で、釣りをした。私自身、釣りをしたことがなく、魚に苦手意識があり触れない、触りたくないという状態だった。釣竿を持ったのも初めてで、初めは餌だけ食べられることが多かったが、慣れてくると、ベラ・カワハギなどの魚が釣れてとても楽しかった。カワハギを思い切って触ってみて、はじめは独特の質感や動いているという感覚に嫌悪感を抱いていたが、自分で釣ったという達成感のほうが大きく魚を触ることに躊躇しなくなった。今まで、見た目だけで苦手と判断していたが、釣りを体験して魚に対する苦手意識を克服することができた。

次に、40センチのキジハタ狙いで船釣りを行った。今日の天気は晴れで風はあまりなかったのだが、海は凪ではなく若干波が高く、酔い止めを飲んでいなかったため船酔いをしてしまった。船に酔ってからは、遠くを見つめて深呼吸をすることしかできず、船を降りても酔いが続いてとてもつらかった。これからご飯の時間なのに食べたら気持ち悪さがましてしまうのではと思ったが、実際にご飯を見ると船酔いが一瞬で無くなり、おいしいご飯をたくさん食べることができた。今回お世話になった漁師の浦谷俊晴さんが魚は生命エネルギーを持っていてそれによって人は元気になるという話を聞き、実際に自分は船酔いから回復することもできて、命を頂くことの大切さを改めて感じた。今度からは、船に乗るときは必ず酔い止めを飲むと心に決めた。

漁師という仕事は、朝が早く、力仕事でとても大変な仕事だと思う。浦谷さんにどういう思いで船に乗っているのかという質問をしたときに「魚を取らされているという役割を私は担っている。長男に生まれたという運命もあるが、どう思うかが大切」とおっしゃられていた。浦谷さんの考え方は常にプラス思考で、漁具が壊れて損失が出た場合でも、新しい漁具を買ういいチャンスと考える。捉え方ひとつで、自分の気持ちはもちろん、自分の未来にいい影響が連鎖していくという考え方を教えていただき、とても素敵な考え方だと感じた。
今回の活動は、魚に対する考えが大きく変わった。自分の中の考えが変わるのは簡単ではない。苦手な体験を通して苦手がなくなる、ということを今回の活動で学んだ。今回お世話になった浦谷さんの魚、自然に対するありがたみを持つ気持ちや、ほかの学生の魚に対する知識、実際に目にした魚、自然すべてが新鮮でとても楽しかった。これからも小浜の魚・海の魅力を全身で体験していきたい。
福井県立大学 中村心海
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