私は小浜市の宇久漁港で釣り体験をした。小浜市は山と海に囲まれたまちで、休日には県外からも釣りをするために人が流れてくるくらい、釣りの人気スポットである。地元が県外であり、過去に釣りの経験がある私でも、小浜のような豊かな自然に囲まれた場所で釣りをすると、非常に心地よい気分になった。今回の釣り場である宇久漁港は、カサゴやベラ、カワハギなどの餌釣りができる場所であり、私もイソメ、オキアミを使用してそれらの魚を釣ることができた。また、船釣りも体験させていただき、キジハタ、カサゴ、ベラといった沿岸域に生息する魚が見られた。釣りの経験のない方でも、魚を多く釣れていたり、サイズの良い個体を釣り上げていたりと、誰でも釣りが楽しめる場として宇久漁港は非常に魅力的だ。


宇久漁港から沖に出ると若狭湾の外洋に繋がっていることから、マグロやサワラ、シイラといった回遊魚が入ってくる。このため、沖では回遊魚を中心に幅広い魚種を漁獲できる定置網漁が行われている。小浜では多種多様な魚種を見ることができることが、小浜が釣りの人気スポットである理由の一つだろう。
この定置網漁は、かつて宇久漁港で民宿を営んでいた浦谷俊晴さんが行っており、今回の釣り体験でも、船釣り用の船と昼食を提供していただいた。昼食には、定置網で獲れたヤガラとハマチを刺身、マダイを塩焼きに、そして、昼食に釣った魚をみそ汁にしていただいた。釣り体験で獲れた魚を食事としていただくことで、小浜での釣りの魅力を十分に味わうことができた。そして、浦谷さんから魚の締め方のコツを教えていただくことができた。市場に出す魚は神経締めなどを行うのに対して、自分たちで食べる魚は、食べる5時間前に締めるそうだ。また、締める際に魚が暴れないように、人差し指の付け根で魚の体の側面にある側線と呼ばれる器官を押さえてやると良いそうだ。

他にも、定置網でクジラを捕獲した話などを聞くことができ、小浜で生まれ育った浦谷さんから、小浜の海や魚、定置網漁に対する熱い想いを感じることができた。小浜の釣りは自然だけでなく、海に関わる人の想いによってさらに魅力を増しているのかもしれない。私は、小浜に住んでから海に行くことはあったが、釣りをすることはなかった。今回の釣り体験をとおして、「小浜ならではの釣り」の魅力を実感することができた。私も小浜での釣りを始めてみようと思った。
福井県立大学 志村颯音
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