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援助を受ける力、『受援の力』を小浜市に広げる

「声を上げてくれたら、向き合うことができます。そのために私たちは日々活動しています」。
そう語ってくださったのは、小浜市社会福祉協議会、通称“社協”の事務局長である田中恒徳さんと、事務局次長である中野正勝さん。社協は全国の市区町村ごとに設置された民間団体で、地域に根差した福祉活動を行い、助けを必要とする人と助けたい人をつなぐ役割を果たしています。行政とは異なり、民間団体ならではのフットワークの軽さが強みです。

皆さんは、社協にお世話になったことを覚えていますか?例えば、小中学校での福祉教育福祉教育や人権問題の学習、赤い羽根共同募金などにも社協が関わっています。募金で集まった資金は様々な福祉事業団体の活動資金にあてがわれ、生活支援や障がい者支援など、地域福祉事業に広く活用されます。そして小浜市で災害が起きた時は、災害ボランティアセンターを立ち上げること、これが社協の重要な役割の一つです。

2024年に起きた能登地震。瓦礫によって閉鎖された被災地を助けたいという一心で、全国から集まったボランティアの方々が、被災地域で活動されています。このまとめ役を担うのが、災害ボランティアセンターであり、被災地の社協なのです。なぜなら、その地域の事情を最もよく知り、被災者に寄り添いながら復興まで伴走できるのは地元の団体だからです。
被災された方々が元の生活を取り戻すためには、ボランティアの適切な配置と支援が不可欠です。被害の情報とボランティアを集め、各所に指示を出し、ボランティアの安全も確保しながら、可能な限り被災地域のニーズに応えていく、その一連の流れを整理するのが社協の役割です。
しかし、特に地方では、自助の意識が強く、支援を受けることに抵抗を感じる人も少なくないそうです。もちろん社協も困っている人を見つけようとしますが、限界があります。そしてなかなか手を握り返してくれない方もいます。被災者にSOSを発してもらうことに加え、助けを受けてもらう「受援」には、日々の活動から信頼を得る必要があるのです。

日常生活にも必要な「受援の力」

この「受援の力」は災害時だけでなく、日常生活でも重要です。「声を上げてくれたら、向き合うことができる」という社協の姿勢は、普段の福祉活動にも反映されています。小浜市社協の事務所は東小浜駅に隣接するサン・サンホーム内にありますが、その活動範囲は市全域に及びます。
一人ひとりと向き合いながら、お互いに少しずつ自分をさらけ出しながら支援をしていきます。様々な活動を通して、「小浜市社会福祉協議会」という名前を一人でも多くの住民に知ってもらうことで、「助けて」と言える、社協を紹介できる、そしてみんなが社協の活動に参画してもらえる地域を目指していると教えていただきました。

社協の活動に参加する方法

小浜市民として私たちがすぐできる活動に、赤い羽根共同募金があります。時には商品の売り上げの一部が募金される寄付つき商品がありますので、日々の買い物の中で支援に参加することも可能です。どんな形であれ、福祉を自分事だと思って生活することが活動への第一歩だと、今回のお話を聞いて感じました。

また、今助けを必要としている方はもちろん、「何か活動をしたいが、何から始めればよいかわからない」という方も、社協に相談してみてはいかがでしょうか。そして、もっと社協さんのことを知りたいと思う方は、毎年10月に小浜市まちの駅・旭座で開催される「やさしさいっぱい!まちなか夢通り」に足を運んでみてはいかがでしょうか。このイベントには様々な市民活動・福祉団体・学校が参加し、自分たちの活動を紹介しながらお菓子の販売やバザーなどを開いています。ぜひお越しください。

福井県立大学 平澤凛

社会福祉法人 小浜市社会福祉協議会
〒917-0241 福井県小浜市遠敷84-3-4(小浜市総合福祉センター内)サン・サンホーム2階
Tel 0770-56-5800
Fax 0770-56-5806

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福井県立大学 海洋生物資源学部 学生チーム

福井県立大学 海洋生物資源学部 学生チーム 小浜市内の丘の上にある福井県立大学海洋生物資源学部の学生が、小浜のことをもっと知るためにキャンパスを飛び出しました。縁あって全国各地から小浜に集まり、巣まう私たちには、まだ知らない小浜の魅力がたくさんあるはず。“大学生から見た小浜の魅力“を発信します。

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