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鯖街道が生み出した若狭小浜の魅力

かつて小浜・若狭で水揚げされたサバを京都まで運ぶために使われた「鯖街道」は、小浜〜京都間の交流を深め、サバだけでなく多くの食材を京都に献上してきた。そのことから、若狭小浜は「御食国(みけつくに)」と呼ばれるようになった。また、京都からは多くの文化が若狭小浜に伝わり、現在でも京都由来の祭りが受け継がれている。こうした「鯖街道」の歴史を楽しく学べるのが、今回ご紹介する「鯖街道ミュージアム」だ。

鯖街道ミュージアムは、令和2年(2020年)3月8日に開館した。鯖街道をはじめ、小浜市の文化財や祭礼などを紹介する日本遺産ガイダンス施設としての役割を担っている。入り口前には、鯖街道の起点であることを示すモニュメントや、鯖街道を再現したミニコーナー、フォトスポットがあり、来館者を入館前から楽しませてくれる。

取材前は少し緊張していたが、写真スポットやモニュメントを目にして、気づけばワクワクしていた。館内には、かつて小浜や鯖街道で使われていた道具が展示されているほか、若狭小浜で今も受け継がれている祭りを紹介する映像を見ることができる。また、大きな北前船のトリックアートもあり、「鯖街道」だけでなく、さまざまな地域の魅力を伝えてくれる施設だ。

鯖街道ミュージアムは、小浜市役所の職員3名と、ボランティアスタッフ3名の計6名で運営されている。今回の取材では、語り部として活動されているボランティアの松木憲司さんにお話を伺った。
「鯖街道について、もっと多くの人に知ってもらいたいと思い、ここでボランティアをしています。北陸新幹線の敦賀延伸により、関東からのお客さんも増え、より幅広い層の方に来ていただけるようになりました」

お話を聞かせていただいた、語り部として活動される松木憲司さん。

インタビュー後は、祭りの紹介映像を流しながら解説を聞くことができた。松木さんの語りからは、若狭小浜への深い愛情が伝わってきて、思わず夢中になって聞き入ってしまった。そのほかにも、「御食国若狭と鯖街道」が日本遺産のなかでも最上位の日本遺産プレミアムに選ばれたことや、鯖街道を巡るサイクリング、小浜西組の歩き方など、地元ならではの話をたくさん聞くことができた。

私が小浜に来てから、まもなく1年が経とうとしている。今回の取材を通じて、まだまだ知らないことがたくさんあると気づかされ、小浜の歴史や文化について、もっと知りたいという気持ちが強くなった。
小浜に初めて来る人はもちろん、もっと若狭小浜を知りたい人、新しい発見をしたい人にも、ぜひ一度、鯖街道ミュージアムに足を運んでほしい。

福井県立大学 志村颯音

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福井県立大学 海洋生物資源学部 学生チーム

福井県立大学 海洋生物資源学部 学生チーム 小浜市内の丘の上にある福井県立大学海洋生物資源学部の学生が、小浜のことをもっと知るためにキャンパスを飛び出しました。縁あって全国各地から小浜に集まり、巣まう私たちには、まだ知らない小浜の魅力がたくさんあるはず。“大学生から見た小浜の魅力“を発信します。

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