青々とした山々に囲まれ、目の前を南川が流れる。そんな自然が溢れるこの場所には、1軒の駄菓子屋がある。ずらっと並ぶ駄菓子に木目調のテーブル、暑さを忘れさせるオアシスのようなこの空間では、ゆっくりと時が流れるのを感じながらつい長居をしてしまいそうになる。
懐かしさに包まれるこのお店を切り盛りするのは、いつも笑顔で迎えてくださる店主の吉岡さん。 元々父の代まで180年にほどタバコ屋を営んでいたそうだが、地域の声に応え、10年前に駄菓子屋を始めたそうだ。
お店の近くには口名田保育園や口名田小学校があり、毎日たくさんの子どもたちが訪れる。その光景に、昔、私が当たりくじを引いた際、吉岡さんが一緒に喜んでくれたことを思い出し、とても懐かしい気持ちになった。この店では、今も昔も変わらない日常が流れ続けている。
そんな中、意外にも大人の方の利用も多いこのお店。 駄菓子を買いに来る子どもたちだけでなく、様々な世代が立ち寄り、温もりのある時間を過ごしている。
「ただこの場所で商売をするだけではない。お客さんの身になるように心がけ、そこでの触れ合いを楽しんでいる」と語る吉岡さん。その言葉通り、小さな子どもやその家族と話す吉岡さんを見ると、商売以上に地域の人々との触れ合いを楽しみ、また地域の人から愛されているんだと心から実感する。
「これからも健康で続けられる限り、地域の拠り所としてお店を続けていきたい」と吉岡さん。私は、何年経ってもこれからもずっと変わらずに、多くの人で賑わうお店の姿がここにはあるのだろうと感じた。
みなさんも優しさで溢れる吉岡さんの営む、どこか懐かしい佇まいの駄菓子屋へ足を運んでみてはいかがですか?
福井県立大学 村松正和
吉岡商店
小浜市中井43−39−1
営業時間:10:00-18:00(不定期)
定休日:不定休
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