小浜市田烏にある旧田烏小学校を活用し、家族で“へしこ”を製造している角野高志さん。「自分が納得した味を追求する」と力強く話されていて、その原料選びから発酵過程までの一つ一つにこだわりがあることを伺いました。
角野さんの工房は、真夏の熱気と魚醤のようないい香りで充満していました。へしこという発酵食ができあがるまでには、発酵菌を上手く活かしていくことが必要とされます。そのために必要なのが温度を高めること。
そのため、旨味たっぷりのへしこが出来上がるまでには、真夏でも窓を閉め切って汗だくでの作業される姿がありました。そしてもう一つ角野さんのこだわりは、漬け込む際に使用する杉樽を育てていくということだと感じました。長期間漬け込むことで、発酵過程で出る旨味成分や発酵菌が杉樽に浸透し、樽全体が飴色に変わっていくと言われていました。その樽を次の仕込みにも使うことによって、樽に浸透した旨味成分と発酵菌を活かし、角野さんご自身が納得する味へ近づけていっているということです。

オススメの食べ方は弱火でじっくり焼く調理法。今回実際に焼いて試食させていただきました。ほどよい塩気の後から、旨味のある鯖の脂が噛めば噛むほどに口に広がます。これは白ご飯や日本酒が底知らずにすすむほどの美味しさでした。
角野さんのへしこは、鮨富や和久里のごはんやおくどさんで食べることができ、道の駅若狭おばまで購入可能です。ぜひ、ご賞味ください。

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