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自分たちで育てたお米と地区のお水で仕込んだ自慢のお酒

株式会社小浜酒造」は、小浜市街から名田庄に向けて車を走らせ約15分、小浜市中井にある小浜市唯一の酒造です。「株式会社わかさ冨士」の酒造業撤退を受けて“地酒の灯を消さない”を合言葉に、事業継承されました。自然の恵みを受けて育った小浜市のお米とお水を使い、一つ一つの原料処理を丁寧に行う、平成28年に設立された日本酒蔵です。
その「小浜酒造」で、お手伝いさせていただく機会をいただき、小浜市今富地区のお酒である「岳颪(やまおろし)」の酒造現場に伺いました。
岳颪を知ったのは、小浜の食のイベントで、「岳颪の会」の方たちから「わしらが作ったお米で作ったお酒なんや。おいしいからいっぺん飲んでみ~」と気前よくコップになみなみと注いでくださり、「もう少ししたら、今年のお酒を仕込むから、その時に来てみるといいよ」と誘われたことがきっかけ。

伺った岳颪の仕込み日にかかっていたBGMは演歌。310キロもの酒米を使用する仕込みは大変でしたが、BGMに合わせて歌を歌ったり、「岳颪の会の会議後は必ず飲み会があるんや!」など、みんなで楽しく飲んでいる話や、晩酌で岳颪を飲むことが楽しみにしていることなどを、お話ししながらのわいわいとした作業はとても楽しかったです。
蔵仕事は何をするにも力仕事。仕込んだお酒を櫂(かい)という棒で混ぜることも、実はとても力がいる作業。私も慣れるまでは上半身が筋肉痛になりました。

日本酒のアルコール度数は15度前後が一般的なのですが、岳颪のアルコール度数は20度。日本酒としてはかなりアルコール度数が高く、味は超辛口。でも、最初は辛いのに後口は不思議とすっと飲みやすい。岳颪の会の方たちもそう感じてもらうことを狙っているとのこと。岳颪に合うおつまみは、やはりへしこだそう。へしこの刺身をちびちびつまみながら、岳颪をくいっと飲むのが最高の組み合わせだそうです。

作業後の休憩では、岳颪の仕込みに使うお米と今富の水で作った甘酒をいただきながら、「今年はどんな味わいに仕上げようか?」、「はつしぼりの時期はどれくらいになりそうか?」など作戦会議。今年は岳颪30周年とのことで、ラッピングも特別なものになるそうです。今頃、樽の中では麹ちゃんたちが毎日ぷくぷくと発酵頑張ってくれています。
今年の冬は、小浜のお酒「岳颪」で乾杯しましょう。皆さま、完成をお楽しみに!

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安間 七菜

1997年福井県福井市生まれ。管理栄養士。大学卒業後は福井県の栄養教諭として勤務後、小浜市の豊かな食材や食文化を学ぶため2024年4月から小浜市地域おこし協力隊に。ナチュラルワインが好きで、食べることも作ることも大好き。日々小浜の食の豊かさを実感しながら、日々家で料理をしている。小浜市の食の魅力を発信していきたいと思っている。

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