飲食店などの格付け本『ミシュランガイド北陸2021特別版』をご覧になったことはあるだろうか。同書は経験豊富な調査員が匿名で訪れ、独自の審査基準をクリアしないと掲載されないグルメガイドとして全国でも有名。これまでに特別版として石川県や富山県は紹介されていた。
今回、初めて福井県も取り上げられ、小浜市内をはじめ若狭地域の飲食店も複数掲載されることとなった。
その掲載を機に、飲食店を支えてくれている食材の生産者への感謝の気持ちと、ミシュランに認められた飲食店・料理人を知ってもらいたいという想いから、2021年7月4日(日)に小浜市まちの駅で「シェフの饗宴」というイベントが開かれた。
同イベントは『ミシュランガイド北陸2021特別版』に掲載された若狭地域の和洋6店舗それぞれの特別メニューをテイクアウト形式で販売するイベント。
各店舗が地元の食材等を使った自慢の一品を手軽に楽しんでもらうため、掲載店店主の有志によって結成された「若狭食を彩る実行委員会」が市の補助金も活用して企画した。
出店したのは、気軽に本格フレンチが楽しめる「ラ・プティプラージュ」、地場産食材を生かした創作イタリア料理を楽しめる「手作りチーズ工房 La Verita」、若狭の四季を旬の食材で堪能できる「鮨富」、若狭の海と山の恵みを贅沢に味わえる「レストラン内外海」(ともに小浜市)で、ランチセットやモッツァレラチーズ、ちらし寿司やタコ飯などを販売した。地物食材をふんだんに使った懐石料理を味わえる「和旬いわもと」(小浜市)は店舗で料理と引き換えられるチケットを販売し、ベーシックなイタリアの味を軸に据えながらジャンルにとらわれない味を満喫できる「ブルーライトヨコヤマ」(高浜町)は期間限定販売の特別メニューをアピールした。
実行委員会メンバーのLa Veritaシェフ 杉崎由浩(すぎさきよしひろ)さんによると、「今回の掲載は地元の農家や漁師、酪農や養鶏など様々な生産者が届けてくれる質の高い食材が評価されたといっても過言ではない」とのこと。さらに「料理人としてこれからも一層心を込めて生産者が届けてくれる旬の食材を扱っていきたい」と、多くの人に地元の食を味わい、誇りに思ってもらいたいという想いを語ってくれた。
イベントは6店舗合わせて約250食が準備されたが、開始時間の午前11時には市内外から大勢の来場者であふれ、約20分で完売する店舗もあるほどの盛況ぶりだった。来場者の方に話を伺うと、「名前は知っているけど、食べたことがなかったので家に帰って食べるのが楽しみ」といった声や、「一度にこれだけのお店の味を楽しめるのは嬉しい」、「またイベントを開催してほしい」など今回のイベントを楽しむ声が多数聞こえた。
杉崎さんは「若狭地域の人口規模でこれだけの掲載数は他地域に比べても多いのは、御食国(みけつくに)という食文化が根付いているからこそだと感じている。地元の食が世界的にも認められたことを皆さんに知ってもらい、市内外の人にぜひ直接、飲食店に足を運んでもらいたい」と話してくれた。
ミシュランに掲載される飲食店等は提供される味だけにとどまらず、その料理が出されるお店の雰囲気や環境も堪能してもらいたい。若狭地域が誇る旬の食材から料理人が生み出す味を、是非それぞれのお店で味わってほしい!
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