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お茶の入口に立つ

茶櫃(ちゃひつ)を開けたとたん、茶葉の香りが一気に広がった。小浜市の中心部で代々商売をされてきた「藤田園茶舗」の現当主、美恵子さんにお話を伺った。

北前船が寄港していた時代、北前船で小浜港に揚がった商品を京都や奈良へ運んだり、丹波茶などを北前船に積み込む商売などをされていたそうだ。それから時代に応じて様々な事業を展開し、今の商売を始めたのは先々代から。宇治茶をメインに伊勢茶や鹿児島産の新茶、お茶に関連する道具類も販売している。
店内にはパッケージされたお茶がほとんど並んでいない。こちらの要望を伝えると、ブレンドした茶葉を大きな茶櫃から取り出し袋詰めしてくれる。

「最近はティーバッグやペットボトルでもお茶を気軽に飲めます。だけど、急須でお茶を淹れ、お茶本来の香りと味わいも楽しんでもらいたい」と美恵子さんはおっしゃっていた。抹茶や玉露、かりがね(茎茶)や荒茶、番茶や玄米茶にほうじ茶、さらには麦茶やハト麦茶などの穀物茶や昆布茶など種類も豊富だ。少量からでも購入可能で色々と味も試しやすい。暑い夏であれば水出し煎茶、寒い季節には焙煎したほうじ茶が香りも楽しめて、特にオススメとのこと。

創業当時から90年近く現役で活躍する焙じ機は店の奥に鎮座している。最近お茶を飲む機会は少なくなっていたが、たまにはゆっくりとお茶を淹れ、香りと味わいを楽しみながら自分好みのお茶を探したくなった。

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高野 哲矢

高野 哲矢

都市計画・まちづくりの専門家。アンドプレイス合同会社の代表。

1984年東京都練馬区生まれ。都市計画・まちづくりの専門家で、アンドプレイス合同会社の代表。2020年8月には、小浜市まちの駅内に「食と暮らしを愉しむ」がコンセプトのセレクトショップTEtoKIをオープンし、店内に併設しているシェアキッチンやギャラリースペースも含めた店舗運営に奮闘中。

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  3. お茶の入口に立つ

コメント

    • 桑田博敏
    • 2021.01.15 3:57pm

    小浜ても、数少ない老舗の茶舗さんです。
    店構えも、道の拡張で建て替えられてますが、以前の情緒を残した良いお店です。

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