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家族でつくる若狭のふぐ

今回、福井県小浜市阿納でトラフグ養殖とそのフグを使用した料理を提供する「若狭ふぐの宿 下亟」を取材させていただきました。
福井県南部にある小浜市阿納は豊かな自然に囲まれた静かな湾になっており、多くの民宿が立ち並んでいます。また、穏やかで水も綺麗なことから、夏は海水浴場としても利用され、海で遊んだ後に宿でおいしい料理が楽しめるエリアとして幅広い年代から人気です。
そして阿納では、昔からその穏やかな若狭湾を利用した養殖業が盛んに行われています。
一昨年、玄関や内装を改装され、落ち着いた雰囲気の外観の民宿「下亟」。そこでフグ養殖をされているのが、今回お話を伺った下亟由明さん。

若狭ふぐの宿 下亟」の下亟由明さん

阿納では昭和62年頃からトラフグの養殖が始まり、もう少しで40年。下亟さんは学生の頃から家の手伝いとして養殖に関わり、福井県立大学を卒業後、本格的に仕事として取組み始めたそうです。

「トラフグ養殖で最も大変なのは手間がかかること。フグがお互いに嚙み合って傷つくことを防ぐための歯切りや、病気にならないための消毒は全て手作業。また、餌のやり方や自然相手の仕事のため何が起きるか分かりません。毎年、世話の仕方が異なる正解がない仕事なんです」と、下亟さんは言います。

これだけの手間と時間をかけて大きくなったトラフグはブランド魚「若狭ふぐ」となり、下亟さんのご両親の手で捌かれ、透き通るような美しいてっさへと姿を変えます。
フグといえば大阪や山口を思い浮かべますが、若狭フグの特筆すべき点は身の締まりにあるといいます。南の暖かい水温と穏やかな海で育ったトラフグに比べ、湾と言えども荒れる冬の冷たい日本海で育った若狭フグは、荒波と低水温に揉まれることで引き締まった噛み応えのある甘い身になるそうです。

民宿下亟では、提供される料理はフグだけではなく、タイやヒラメの他、新たな阿納の人気ブランド魚になりつつある“若狭マハタ”など、豪華で温かみのある美味しい食事を、落ち着いた雰囲気の客室でリラックスして召し上がることが出来ます。

会食だけのご利用も可能ですので、ぜひ一度若狭の海と家族の愛が生んだ海の幸を堪能してみてはいかがでしょうか。

福井県立大学 豊田湖季

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福井県立大学 海洋生物資源学部 学生チーム

福井県立大学 海洋生物資源学部 学生チーム 小浜市内の丘の上にある福井県立大学海洋生物資源学部の学生が、小浜のことをもっと知るためにキャンパスを飛び出しました。縁あって全国各地から小浜に集まり、巣まう私たちには、まだ知らない小浜の魅力がたくさんあるはず。“大学生から見た小浜の魅力“を発信します。

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