へしこの選び方

 小浜は、水産加工業者が多く、醤油干し、小鯛のささ漬、鯖のへしこなど加工品が豊富にある。醤油干し、小鯛のささ漬は、製造者ごとの味の違いが分かりやすく、いつも買うお店が決まっている人も多い。一方で、外からのお客様から「どのへしこがお勧めですか?」と聞かれると、さっと出てこない方も多いのではないだろうか。

 美味しい野菜の見分け方、新鮮な魚の目利きのように、へしこの選び方があるのかなと思い、へしこを製造販売している「民宿かどの」の角野高志さんにへしこの作り方を教えてもらった。

 角野さんは、廃校になった旧田烏小学校の2階をへしこの工房にしており、年間2000匹を超えるへしこを製造している。昔ながらの製造方法にこだわり、原材料は、鯖、塩、ぬか、唐辛子のみを使用し、1年以上樽に漬け込んでいる。へしこを製造する会社は県内に多くあるが、中には漬け込む期間が短かったり、調味料を加えているところもあるとのこと。

 また、使用する鯖は、国産の800gサイズ、600gサイズのものを使用しており、毎年サンプルを取り寄せて、脂のノリをチェックしてから使用している。ぬかについては、無農薬のものと減農薬のものを使用。このぬかにもこだわりが詰まっており、農家さんのところに行って、ぬかを試食してから使用するかどうかを決めている。同じ無農薬のものでも、いいものは「きなこ」のような味がするが、悪いものはえぐみがあり使っていないとのこと。

 こだわり抜いた材量を使って1年間樽の中で熟成していくのだが、夏場の温度が高いほど、タンパク質がアミノ酸に分解され、旨味が引き立つとのこと。そして、よく熟成されたへしこは飴色になり、この色が目利きポイントとなる。

 試食させて頂いた刺身は、薄造りにされており、へしこ特有の塩辛さよりも鯖の脂の甘味と旨味が勝っており、生ハムを連想させる。あぶりでも頂いたが、これは1cm程度にスライスされており、刺身よりも塩分を感じる分、ご飯が欲しくなる。

 取材した日は、30度を超えており、工房はさらに高温になっていた。その中で体の大きな角野さんは、大粒の汗を流しながら、熱心にへしこづくりを教えてくれた。その誠実な対応はものづくりにも確実に反映されており、毎年製法を微修正しながら、理想のへしこを追い求めている。

 本日学んだへしこ選びのポイント
 ・使用する材料に調味料が入っているか
 ・へしこの色

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