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小浜市全体をホテルに『STANDARD-01 小浜町家ステイ 御子柴北斗さん』

京料理を育んだ湊町で暮らすように泊まる。国が重要伝統的建造物群保存地区(以降、重伝建)として選定し、街並み景観が保護されている「小浜西組」を中心に空き町家を改修した「小浜町家ステイ」。「株式会社まちづくり小浜」代表の御子柴北斗さんは、まち全体が文化財でありホテルと考え、まちの暮らし観光を作り続ける。

-リノベーションのきっかけは?

現在7棟(2021年10月時点)の一棟貸し古民家ホテルを運用しています。一棟目をスタートした「小浜西組」は、国が選定した重伝建であるにもかかわらず、ほとんど観光利用されていませんでした。魅力ある建物や町並みはあるのに活用されていない。この状況を小浜でどう解決するか考えた時、ゆっくりとまちを味わってもらえる環境が必要だと考え、空き町家を長時間滞在できる宿にリノベーションすることにしました。

-物件との出会い

声をかけていただいたり、たまたま地域を歩いていて物件を見つけたりして始まります。時には、かなり傷んでいて二階建てなのに一階から空が見えたりすることもあります(笑)ただ、どんな物件でもいいわけではありません。物件のある地域でここまで受け継がれてきた暮らしに触れることができたり、次の世代につなげたい魅力を感じるようなところでやりたいと思っています。

蔵を改修した部屋の暗さを解消するため、天窓を開けるなどの工夫が光る

-改修で苦労されていることは?

重伝建の小浜西組は、建物はすごく良いのですが商売はすごくしづらいんです。補助金を使って改修しようと思うと、5月に申請して翌年の4月に採択されたら工事可能なのですが、大体1年待ちなのでプラス1年。2年待ってやっと工事開始。運用開始まで約3年。すぐに実施したいと思ってもなかなかできないことがもどかしいですね。

-大切にしていること

あまり絞り込まないということでしょうか。小浜町家ステイには本当に色々な人が泊まりに来てくれます。夫婦やカップル、家族、二世帯、友人家族同士など。さまざまなタイプの宿を用意しているからということもあると思いますが、小浜の受け入れ力の広さがそうさせていると思っています。小浜はすぐそばにおいしい飲食店があったり、海や山があったり、まち自体がすごく魅力を持っている。だから、こちらから提供し過ぎず、普段の小浜でゆっくり休み楽しんでもらう。私たちが運営するのは宿だけです。

小浜の暮らしを感じてほしいという思いそのままに、宿は商店などが並ぶ日常の中にある

-未来

小浜町家ステイ単体で何かやっていくというよりは、小浜の海エリア、里エリア、町エリアの魅力をつないでいくことをもっとしていきたい。1番の魅力は、やはり地域の暮らしだと思うので、食の楽しみだけではなく、魚市場の朝競りの現場に行けたり、重伝建の大工さんに話を聞けるようなリアルな小浜の暮らしに触れられるプランに参加してもらって、まずそのエリアのことを知ってもらう。そして、次に来てもらう時は、他のエリアのことを知ってもらう。そうやって面に広げていくことで小浜のファンを作っていけると思うんです。観光って、元々そういった暮らしぶりを見るところからスタートしていると言いますし。

小浜町家ステイはエリアも限定しません。他地域の町全体をホテルと見立てた取り組みは比較的エリアを限定して、過ごし方がしっかり作り込まれていいるところが多いように感じます。確かに、まちを楽しむ確実性は高いかもしれませんが、ある意味可能性を狭めてしまう。小浜には重伝建の「小浜西組」以外にも魅力ある町並みや暮らしがある。だから、私たちは囲い込まず小浜全体をホテルとして捉え、宿を通して全体の価値を上げていきたいと思っています。

Information

WAKASA RENOVATION STANDARD
STANDARD-01 小浜町家ステイ

国が選定する歴史的な町並み「重要伝統建造物群保存地区」を中心に、趣のある町家をリノベーションした分散型の一棟貸しホテル。伝統と⾵情ある町並みを⾝近に触れ、たおやかな若狭湾の海岸を散策。新鮮な海の幸を堪能して、ゆったりと流れる「⼩浜時間」を感じていただけます。

〒917-0024 福井県小浜市和久里24-45-2(受付場所)
TEL 0770-56-3366
WEB https://www.obama-machiya-stay.com
営業時間 15:00-19:00(受付)
定休日 なし
駐車場 あり

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編集部

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NEST INN OBAMA編集部

小浜の日常にあふれる“実はすごい!”を見つめ直した、多様な目線の小浜をみなさんにお届けします!

  1. みんなに喜んでもらえる おいしい趣味

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  3. まちに音が流れてくる。若狭最大の秋祭り「放生祭」のある小浜で育つこと。

  4. FOOD TOWN DEVELOPMENT

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