若狭町出身の倉谷愛加さんは食に対して人一倍強い「愛」を持っている。倉谷さんは高校時代から料理に関する仕事をしたいという気持ちが強く、地元の高校に進学し調理師免許を取得した。そこから、料理を提供する仕事に就きたいと考え、旅館の厨房で働き始めた。だが、そこは思い描いていた理想とは異なる環境であった。理想の環境を求め、イタリアンや焼き肉など様々な飲食店で働いた。
また、食のみならず、積極的にワークショップに参加する中で幅広い分野に触れた。ワークショップに参加したことで運命的な出会いがあった。それは、コーヒーとの出会いだ。コーヒーは豆を焙煎し、ドリップする単純な作業である。このシンプルな工程の中のある奥深さは倉谷さんを夢中にさせた。これは倉谷さんの食への愛が生んだ出会いだった。
いくつかの運命的な出会いがene COFFEE STANDで働くことに繋がった。カフェのメインであるコーヒーは苦手な人でも飲めるような優しい味であり、倉谷さんのコーヒーに対する愛情が伺えた。
一杯のコーヒーを通して、倉谷さんとお客さんの関係を築き上げるだけでなく、お客さん同士でも繋がるような雰囲気づくりが、取材を通して垣間見えた。
福井県立大学 藤田啓之朗
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