古民家で味わうタイ料理「三丁町カフェぼんくら」

小浜市には、歴史的価値をもつ街並みが評価され「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された「小浜西組」と呼ばれる地域がある。その中でも、かつて茶屋町として栄えた「三丁町」。
今回は、三丁町の一角に佇む「三丁町カフェぼんくら」の店主、河野泰夫さんにお話を伺った。

お店に入ると店内には目を引くものがいくつもある。行燈入れがついた階段箪笥。これは電灯がない時代、つまり明治以前の時代に作られたものだそう。ほかにも、お店には船底天井や大正硝子などがある。
「建物自体は明治28年以前に建築されたもので、両親や兄姉が生活していた家でした。両親が出前の食堂や民宿旅館を営んでもいました。 ぼんくらをオープンするにあたって、リノベーションしたんです」と教えてくれた。
特徴的なのはお店の造りだけではない。なんとこのお店では、タイ料理を食べることができるのだ。料理を作るのは、河野さんご自身。レシピは知り合いのタイ人に教えてもらったり、タイで食べ歩きをしたりした経験から作り上げたという。
実際にタイ料理を食べてみると、ガパオライスはバジルが香る醤油系の優しい味付けで、半熟の黄身と絡めて食べると絶品になって非常に美味しい。グリーンカレーはスパイシーだが、ココナッツミルクのおかげで甘味もあり、スパイシーさと甘味のバランスが絶妙だ。

店内にある階段箪笥。左下の細長い戸が行燈入れになっている。
ランチメニューのひとつ、ガパオライスとグリーンカレー。ドリンクとデザート、スープが付く。

ただ、ここで1つ疑問に思ったのが「なぜタイ料理なのか」ということ。河野さんにお話を伺うと、まずはタイについて教えてくれた。
「ベトナムやマレーシア、カンボジアなどの東南アジア一円は、タイを起点に食文化などで繋がっている。タイは土地が広大で肥沃。首都のバンコクは大都会ながらも街に屋台が広がっている。鶏肉やエビなんかは気候柄、放置しておくと腐ってしまうので、いつも新鮮なものを提供するためおいしい。バジルやパクチーなどの香草はたくさん生えており、それを料理に使う」
こうした光景や食文化に初めて触れたときに「なんなんこれ?!」と衝撃を受けたという。その経験からタイ料理に興味を持ち、お店で提供するのに至ったのだという。
ただ、お店で本格的にタイ料理を始めたのは6、7年前だそう。最初に提供した料理は小浜鶏飯と名付けたカオマンガイ(鶏の茹で汁で炊いたご飯に鶏肉を乗せた料理。海南鶏飯、シンガポールチキンライスなどともいわれる)。これが思いのほかお客さんに評判が良く、タイ料理の良さを分かってもらえる人がいると感じたことで、本格的にタイ料理の提供を始めたという。

河野さんのタイに関する興味は今も尽きないようで「実際にタイ料理を作り出してみると、どんどん深みにはまっていく。料理に使うスパイスやハーブは種類が豊富なうえ、同じものでも調合や使い方で全然味が違う。料理だけでなくタイティ―に使われているスパイスなんかも気になっていて、これらを含めてタイの食生活や食文化にはすごく興味がある」と語ってくれた。

古民家とタイ料理。異質の組み合わせに感じるが、不思議とそれがこのお店ではうまく調和している。スパイシーながらもやさしさを感じられるタイ料理 に、何時間でも居たくなる落ち着く空間、「三丁町カフェぼんくら」にみなさんも一度足を運んでみませんか。

福井県立大学 岡田優暉斗

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福井県立大学 海洋生物資源学部 学生チーム 小浜市内の丘の上にある福井県立大学海洋生物資源学部の学生が、小浜のことをもっと知るためにキャンパスを飛び出しました。縁あって全国各地から小浜に集まり、巣まう私たちには、まだ知らない小浜の魅力がたくさんあるはず。“大学生から見た小浜の魅力“を発信します。